移動や入浴などの場面で、高齢者の身体を支える業務を行う介護職は、腰痛のリスクが非常に高いと言えるでしょう。
いったん腰痛になってしまうと、なかなか完治せず、身体介護の業務に復帰するまでに長期間を要します。
そこで、腰痛にならないよう介護の方法を工夫しなければなりません。
まず、背筋を伸ばし、膝を曲げ腰を落とすといった体幹を使うスキルを身につけることが重要です。
体幹を使わず、背中を丸めて腕力だけで高齢者の身体を支えようとすると、たちまち腰を傷めてしまうでしょう。
ただし、こうした正しい姿勢で介助を行っても、毎日多数の要介護者をサポートしていれば、腰痛のリスクを避けることは難しいかもしれません。
そこで、腰に巻くコルセットや膝にはめるサポーターの使用も必要になるでしょう。
コルセットやサポーターは、腰や膝のほか、足首や手首などの関節部分に装着することにより、身体にかかる負担を軽減してくれます。
これに加え、腰痛予防のアイテムとして、人工知能が活用されるようになりました。
介護現場では、スタッフが遠隔操作して入浴や移動を補助する介護ロボットが知られていますが、重い要介護者の身体を支える際に介護職員が身体に装着する介助機械についても、AIの利用価値が注目されているのです。
介護職員が介助アイテムを身体に装着すると、少しの力を加えるだけで油圧装置がAIにより制御された適度な加圧をして、要介護者の身体を軽々と移動させることができます。
介護職員の腰には全く負担がかからないので、腰痛にもならずに済むでしょう。